近年急速に普及してきた「5G」
正直、「通信速度が4Gよりめっちゃ早い!」ってことしか以外あまり知られていませんよね。
今回はこの「5G」について、明日さっそく周りに話したくなるような豆知識をお教えしちゃいます!
5Gは、「5th Generation」を略したもので、第5世代移動通信システムの通称です。
5Gはこれまでの4Gと比べ通信速度は20倍、遅延は1/10、機器の同時接続数は10倍の進化が見込まれており、これまで以上に色々なモノがネットワークに接続され(IoT:Internet of Things)サービスやビジネスでの活用が期待されています。
5Gは第5世代という意味なので、ここでは5Gまでの移動通信システムの歴史を見ていきましょう。
1979年に日本電信電話公社(NTTの前身)がセルラー方式による自動車電話サービスをスタートし、これが携帯電話のベースになりました。1985年には車外でも通話可能な肩掛け型の端末(ショルダーホン)が登場し、1987年にはNTTが さらに小型・軽量化した「携帯電話」サービスを開始し、そこからさらに電子部品の小型化やLSI化※が進み、1991年には超小型携帯電話の「mova(ムーバ)」が登場しています。
1Gは音声を電波に乗る信号に変換して通信するアナログ変調方式で送信しており、機能は音声通話のみです。通信の品質や距離にも課題が多く、その後デジタル方式の技術の開発が進められました。
アクセス方式はFDMA(周波数分割多元接続)を採用し、ユーザ毎に異なる周波数を割り当てて、上りと下り(基地局と端末間の送信と受信)でも異なる周波数を使用する事でFDD(周波数分割複信)の区別を行っていました。さらに通信エリアをカバーするために「セルラー方式」が採用されました。
セルラー方式とは、1つの基地局あたりのカバーエリアを比較的小さく設定し、基地局を多数設置することでエリア全体を覆う方法です。
隣接するカバーエリアでは異なる周波数を用いて電波の干渉を防ぎ、離れた所で同じ周波数の再利用を可能にします。周波数利用の繰り返しでシステム全体の収容効率が向上し、基地局と端末間の送信電力を省力化し、端末の小型軽量化が実現しました。
以降の携帯電話においてもこの方式が採用されており、携帯電話を英語でセルラーフォン(cellular phone)と呼ぶのはここに由来しています。
1993年からは新たにデジタル方式のPDC※方式を使用するようになり、パケット交換技術を用いた通信の実現に伴って、メールやインターネット回線への接続が可能になりました。
データの符号化・圧縮が可能になったことで帯域の大幅削減とアクセス方式もTDMA(時分割多元接続)を採用。同じ周波数でも時間毎に区切り、周波数利用効率が向上したことでデータ通信の活用・利用が日常になりました。
2Gまでは日本国内独自の移動通信システムでしたが、「全世界で同じ端末を使えること」を目標に標準化作業が進められ、1999年に国際電気通信連合(ITU)で「IMT-2000」として複数の技術方式が標準化されました。
3Gで国際標準になったことで日本の携帯電話を海外でも使えるようになりました。また2000年代では3Gが普及し通信速度が2.4kps~28.8kpsから384kps~14Mbpsへと大幅に向上し、より大容量のコンテンツを利用でいるようになり「着うた」などのプラットフォーム上のサービスが一気に増加しました。
また携帯電話にカメラを搭載し画像をメールに添付して送信する機能もこの頃に普及しています。
日本は、W-CDMA方式とcdma2000方式が併存
アクセス方式にCDMA(符号分割多元接続)を採用し、拡散符号でユーザを識別して同じ周波数を同じ時間に多数のユーザで共用することが可能となりました。
同じ周波数を使っていても基地局やユーザを拡散符号で区別できるため、セル間の干渉を考慮しなくても隣り合う基地局に同一の周波数を配置することが可能となりました。
CDMA※を採用したことで広帯域での通信が可能となり、2Gに比べて高速大容量の通信が可能となった。
2007年にAppleが「iPhone」を発表され、それまでのフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が開始しました。翌2008年に日本でも「iPhone 3G」の販売が開始、2009年にはGoogleが開発したAndroidを搭載したスマートフォンも発売されました。
この時期に商用開始されたのが4Gであり、現在も利用されており通信速度は50Mbps~1Gbpsです。
4Gの通信規格の一つとしてLTE(Long Term Evolution:ロングタームエボリューション)があります。4Gが登場する前の移行準備として登場した背景もあり、第3.9世代とも呼びます。
アクセス方式として下りはOFDMA(直交周波数分割多元接続)、上りはSC-FDMA(シングルキャリア周波数分割多元接続)を採用し、周波数の利用効率を高め、3Gよりも大幅に広帯域化を可能とし、さらなる高速化を実現しました。
また、複数のアンテナでデータを並列に送ることで伝送容量を拡大するMIMOが採用されています。
冒頭でもお話したように4Gの次の世代、第5世代移動通信システム(5G)は、次のような特徴があります。
より多くの情報を同時に遅れも少なく通信することができる5Gは、情報処理や加工のみに留まらず、情報やモノの制御を可能とし、産業や社会活動への活用が期待されています。
5Gでは、スマホやPCだけでなく、さまざまな電子機器がネットワークに接続されるようになります。
例えば、次のようなことが可能になります。
などなど
今回はこれまでの通信システムの歴史をメインにご紹介してきましたが、次回は5G通信の仕組み「MIMO」について紹介していきます。
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