Tips
コラム

中小企業こそDX推進で業務効率化を

近年、中小企業のDX推進が日本の課題となっており、今や国や県をあげてDX推進への取組を行っています。
そんな中広島市郊外に本社を置く中小企業である弊社:東洋電装が2022年3月に中小規模製造業で初の取組となる製造DXに注力するDX工場をオープンしました。
この取組はDX推進を図っている企業として広島県総務局のサイトに掲載、また経済産業省の中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引きに取組事例として紹介され注目を集めています。

今回は中小企業から同じ中小企業へDX推進と業務効率化についてご紹介していきます。

そもそもDXってなに?

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で直訳すると「デジタルによる変革」となります。
要約すると、データとデジタル技術を活用して、働き方や業務を変革し、競争上の優位性を確立することを指します。

DXの定義

経済産業省のDXの定義

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

IDC JapanのDXの定義

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォームを利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立することを指す
※ 「クラウド」「ビッグデータ」「モビリティ」「ソーシャル」というデジタル技術で構成する情報基盤のこと

DXの構造

経済産業省のDXレポートでは企業がDXの具体的なアクションを組織の成熟度ごとに設計できるように、DXを3つの段階に分解して示しています。

  1. デジタイゼーション:アナログからデジタルへ
    アナログ・物理データの単純なデジタルデータ化、紙文書の電子化
  2. デジタライゼーション:個別業務・プロセスのデジタル化
    RPAによる作業の自動化、デジタルツールで情報管理
    ※ Robotics Process Automationの略:ロボットが作業プロセスの一部を担うシステム
  3. デジタルトランスフォーメーション:組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化

中小企業が業務効率化をすべき最大の理由

中小企業の業況

これまで中小企業の業況判断DI推移はリーマン・ショックや東日本大震災、消費税率引上げとそれぞれの影響により落ち込みはあるものの、総じて緩やかな回復基調で推移していました。
しかし2020年の新型コロナ流行による経済社会活動の停滞で業況判断DIはリーマン・ショック時を超える大幅に低下しており、現在は2期連続で上昇傾向ではあるもののそれ以前に戻り切ってはいません。

企業規模別業況判断DIの推移

企業規模別業況判断DIの推移:中小企業庁

資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」
(注)1.景況調査の業況判断DIは、前期に比べて、業況が「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。
2.ここでは、中小企業とは中小企業基本法第2条第1項の規定に基づく「中小企業者」、小規模事業者とは中小企業基本法第2条第5項の規定に基づく「小規模企業者」、中規模企業とは中小企業から小規模事業者を除いた企業をいう。

中小企業の雇用状況

一方、中小企業の雇用状況に目を向けると2013年第4四半期に全ての業種で従業員数過不足DIがマイナスになり、その後は人手不足感が高まる傾向で推移した。
2020年に入ると一転して、不足感が弱まり、製造業と卸売業では従業員数過不足DIがプラスとなったことから近年では製造業では僅かに人手不足感が弱まっています。

業種別に見た、従業員数過不足DIの推移

業種別に見た、従業員数過不足DIの推移:中小企業庁

資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」
(注)従業員数過不足数DIとは、従業員の今期の状況について、「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不足」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。

まとめ

近年では企業の人手不足感は比較的低い傾向がありますが、日本の一番比率の高い業種である製造業では依然として人手不足感が続いています。
そもそも総務省統計局が2021年11月に公表した「令和2年国勢調査」人口基本集計結果によると2020年の生産年齢人口(15歳~64歳)の割合は59.5%と6割を下回っているということから全般的に働き手が減少していることが分かります。

最新の年齢3区分別人口

最新の年齢3区分別人口:中小企業庁

資料:総務省「令和2年国勢調査」

減りゆく働き手による人手不足の解消の糸口として、

  • 人がしなくてもいい仕事は機械にさせる
  • 柔軟な働き方や働きやすい環境の整備する

というこれまでの働き方の見直しが必要となります。

業務効率化につながるIT化

経済産業省が分解している3段階のDXの内のデジタイゼーションに実際取り組んでいる企業は多く、

  • 手書き⇒Excel表に記入
  • 郵便物の手書き名入れ⇒ラベルシールに一括印刷
  • 文章のPDF保存

などのデジタルデータ化が一例として挙げられます。
次の段階のデジタライゼーションについては【業務の自動化】の事例をご紹介していきます。

受付管理システム

課題
  • 受付の担当者は設けていないため出入り口に近い従業員が来客のたびに対応しており、通常業務が進まない
  • 来客者情報を紙で記入しているため来客者情報の管理が出来ていない
システムで解決
  • 受付に設置したタブレットから来客者の情報登録、面談社員の直接呼出
  • 事前に発行したQRコードをかざすだけで入退館の記録(QRコードの繰り返し利用OK)
効果
  • 頻繁にご来社される取引先様の入退館が楽に
  • 有事際の連絡先管理が簡単に

経費精算自動化

課題
  • Excel関数までは使っていたものの手打ち計算が多くて締日後の業務圧迫
システムで解決
  • RPA導入して自動化
効果
  • 時間短縮
  • 人的ミスの削減

装置データ自動取得

課題
  • 定期的に装置へ行きトラブルが起きていないかチェックしているが、すぐに気づけないためタイムラグがある
  • 装置稼働データの集計が手作業の為、集計ミスも発生している
システムで解決
  • センサー情報を自動で取得して必要な時に通知
  • クラウド利用でデスクから装置の状況をリアルタイムで確認
効果
  • メンテナンスの最適化・時間削減
  • 集計データの二次活用

まとめ

冒頭でもご紹介したように、中小企業のDX推進が日本の課題となっています。IT活用した業務効率化は導入後すぐ効果のでるものと後から効果がわかるものとがあり、すぐに効果が出ないからといってあきらめてしまう企業も少なくありません。
まずは自社内でどんな業務がありその中に無駄や無理がないかをチェックしていきましょう。次に「こうなったらいいな」をビジョンとして掲げ企業ごとにDX推進の計画を立てることが重要です。

業務効率化で最適化された環境は人材獲得競争のチカラにもなってきます。自治体ごとにDX推進の補助金もあるのでチェック。
もしもIT・IoT化で行き詰ったら私たちにお声がけください。一緒に解決の糸口を見つけていきましょう

【参照サイト】

ソリューション

ご依頼・ご相談など、お問い合わせは、
下記フォームからお願いいたします。