サブギガ無線とは
サブギガ無線とは、1GHz以下の周波数帯の無線のことです。
日本では一般的に920MHz帯の無線のこと示します。
※ 英単語「sub」には「~に満たない。~以下。~未満。」という意味がある

920MHz帯の周波数再編
今の920MHz帯は、諸外国の周波数割当と調和し、国際競争力の強化するために、950MHz帯から周波数移行しました。
周波数移行はアナログテレビの停波により実現可能となりました。
周波数再編の流れは以下です。
- アナログ放送の停波。(一部の地域は2012年3月31日まで)
- 総務省告示第513号が公布される。
- 一般社団法人電波産業会(ARIB)によって、「920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備」の標準規格策定。
- CDMA2000のBand Class3が停波。
- テレメータ・テレコントロール・データ伝送・電子タグ用構内無線・簡易無線・特定小電力無線が915-928MHzに割り当てられ、(950-958MHzから)移行が開始。
920MHzの特長
2.4GHzと400MHzの中間の特性になり、どちらの特長も有していると言えます。
- 通信距離
- 920MHz帯は、400MHz帯と同様、屋外など長距離のデータ通信が可能です。
また、回折特性が良く障害物に強い特長があります。- 2.4GHzの無線LANの約10倍
- 400MHzの約1/8倍
- 伝送速度
- 通信距離と伝送速度はトレードオフの関係にあるため、
- 2.4GHzの無線LANの約1/2倍
- 400MHzの10倍以上
- 干渉の影響
- 2.4GHzの様な電子レンジによる干渉がない。
現時点では、920MHz帯同士の干渉も少ない。
920MHz帯の標準規格
920MHz帯のLPWAで使用する無線の標準規格は、ARIBで策定されており、ARIB STD-T108「920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備」になります。
920MHz帯は、他の無線でも使用されており、それらの標準規格は以下の2つです。
- ARIB STD-T106(構内無線局920MHz帯移動体識別用無線設備)
- ARIB STD-T107(特定小電力無線局920MHz帯移動体識別用無線設備)
これらはRFIDで使用するRFタグなど、自発的に電波を発射しない電子タグシステムで使用されます。
パッシブタグシステムの最大出力値は大きいですがサービスエリアは最大でも、およそ5m程度です。
920MHz帯のチャンネルプラン
920MHz帯のチャンネルプランは以下になります。

※アンライセンス帯域のLPWAは、赤枠の周波数を使用します。
出所:[PDF]920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備(英語版)
|一般社団法人 電波産業会
920MHz帯の技術的条件
920MHz帯無線システムには、以下のような技術的条件があります。
技術的条件に適合した機器(技適マークの付いた機器)のみ、使用が可能です。
