コラム

RFIDは意外と身近にいる

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RFIDとは

RFID(アールエフアイディー)とは、Radio Frequency Identificationを略した言葉で、
無線チップによる自動認識の技術です。

JISによるRFIDの定義

タグの固有IDを読み取るシステム。
RFIDは、種々の変調方式と符号化とを使って、RFタグへ又はRFタグから通信する為に、スペクトルの無線周波数部分内における電磁的結合又は静電結合を、具体的に利用している。

RFタグの呼び方はさまざま

JISによる正式名称はRFタグ
一般的には電子タグ、ICタグ、IDタグ、RFIDタグ、トランスポンダ、無線タグ、無線ICタグなど、様々な名称で呼ばれていますが、すべてRFタグを示しています。

みなさん知らないうちに、RFタグに接しているかもしれませんね。

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RFIDとバーコードの違い

RFタグをよく使われるQRコード、バーコードと比較してみましょう。

  RFタグ QRコード バーコード
保有できる情報量 最大 数千桁 最大 数十桁 十桁程度
価格 高価 紙ベースのため安価
読み取り距離 数m 数cm
汚れに対する読み取り 強い 弱い
複数の同時読み取り 可能 不可
箱の中での読み取り 可能 不可
データの書き換え 可能 不可

QRコードやバーコードに比べると高価になりますが、その分最大数千桁の情報量を保有できるなど、利点も多い印象ですね。

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RFIDの特徴

➊ 数百万単位のユニークIDを割り当てることが可能
  • どんな物でも個別管理登録が出来るため、在庫管理としても有効活用できます。
  • 箱と中身が違う材質でもRFタグにて管理が可能です。
➋ 電波で更新するため、見えなくても読み書きが可能
  • バーコードと違い電波で更新するため、汚れなどの表面状態に影響されません。
  • タグの方向を気にする事なく更新可能により、電波透過可能な箱の中でも検知できます。
➌ 非接触でデータの読み出し(Read)、書き換え(Write)が可能
  • 必要な情報を自由に非接触で読み出す事ができ作業効率化できます。
  • 書き換えが可能なため、情報変更タグの再利用ができランニングコストを抑えられえます。
➍ RFタグの種類が豊富
  • RFIDの弱点である金属や水分などにも適したタグがあります。
    (金属:工具、金型  水分:ペットボトル、化粧水 など)

RFIDの周波数別の特徴

RFIDは、符号化方式変複調方式など一般の無線機器と同じ技術を使っており、使用する周波数によって、その特徴は異なります。

電磁結合方式(LF帯) 電磁誘導方式(HF帯) 電波方式(UHF帯)
通信周波数 125kHz~134kHz 13.56MHz 860MHz~960MHz 2.45GHz
通信距離 10cm未満 30cm未満 5m未満 2m未満
汚れ
金属
水分
大きさ
指向性
タグ価格

表を見ても想像がつきにくいので、使用例とあわせて特徴を確認していきましょう。

電磁結合方式(LF帯)
短距離(数センチメートル)の通信が可能で、金属や水の影響を受けにくいため、自動車のキーレスエントリーや家畜管理などに活用されます。
電磁誘導方式(HF帯)
通信距離は電磁結合方式(LF帯)より少し長めの数センチメートルから数十センチメートルで、交通系ICカード、工場の生産工程管理、医療機関での患者管理などに活用されています。
電波方式(UHF帯)
電磁結合方式(LF帯)、電磁誘導方式(HF帯)と異なり、数メートル単位の通信距離を持つうえ、タグの小型化が可能なため様々な形状やサイズで提供されています。そして、複数のタグを同時に読み取る性能が高いので、アパレル店舗の在庫管理、物流倉庫の入出荷管理、棚卸し業務などで活用されます。

RFIDはこんな所で使われています

上記のような特徴を活かしRFIDはさまざまな場所で使われています。
その一部を用途と共にみていきましょう。

レンタル管理
  • 大手レンタルビデオ店
    レンタル商品在庫管理
  • 図書館
    書籍不正持ち出し防止、業務効率化
商品管理
  • 大手EC
    在庫管理、商品自動発送
  • 大手スーパー
    レジ、在庫管理
  • 大手アパレル会社
    レジ、受入れ管理、在庫管理
通い箱管理
  • 大手食品会社
    パレット、かご車管理
資産管理
  • 官公庁
    重要書類管理、資産管理
その他
  • 空港
    荷物自動配送管理
  • 製造業工場
    共用工具管理

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おわりに

「名前を知らずRFIDの技術に触れていた」という方は多いと思います。
実際、私たちの日常生活の中で、RFIDはさまざまな場面で活躍し生活を便利にしています。

一括りにRFIDといっても、その特徴は周波数帯や用途によって異なります。
それぞれにメリットとデメリットがあり、適切な選択が重要です。
RFIDの技術は今後も進化し続け、さらに多くの分野で活用されることでしょう。
用途に応じて最適なRFIDを選び、効率的な運用を目指しましょう。

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参考・引用
RFIDの基礎 – JAISA 一般社団法人 日本自動認識システム協会 研究開発センターRFID担当
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