前回ご紹介した5Gの基本では、
5Gって「高速大容量通信」「高信頼・低遅延通信」「多数機器の同時接続」という特徴があったの覚えていますか?
4Gと比べ通信速度は20倍、遅延は1/10、機器の同時接続数は10倍なのです。
ではなぜそんなに早く通信できちゃうのか。その技術はずばり「MIMO」というキーワードに隠されているんです!
前回、最後にちょびっとだけ登場したMIMO 参照、そもそもMIMOとは「マイモ」と読みます。このMIMO実はMultiple Input Multiple Outputの略で送信機と受信機の両方で複数アンテナを使用する事で通信性能を向上させるための技術です。
1990年代後半に登場し、2001年に世界で初めて実用化されました。
ちなみに無線LAN規格では、2009年に策定されたIEEE802.11nから取り入れられています。
MIMOがどんな仕組なのかざっくり理解するには、他の無線通信技術も知っておくべし。
SISO(Single Input Single Output)は、無線通信の基本形です。
送信も受信も一つのアンテナで通信します。
MISO(Multiple Input Single Output)では、高性能アンテナの一つで複数の送信アンテナに対し受信アンテナは一つです。
デジタルテレビ、無線LAN、モバイル通信などで使われており、送信機が複数あることでそれぞれのアンテナから送信されるデータが軽くなっています。そのため高速でエラーの少ない送受信が可能です。
また、MIMO対応機器でも一時的にMISOや逆のSIMO(Single Input Multiple Output)になることもあります。
MIMO(Multiple Input Multiple Output)では、送信アンテナも受信アンテナも複数存在します。新世代のアンテナ技術として主にLTE、WiMAXなどで近年採用され始めています。
ここまでは送信機と受信機は一つずつの話ですが、今回ご紹介しているMIMOはアンテナ数が増えたり、受信側が複数になったりと進化が止まらないのがMIMOなんです!
MU-MIMO(multi-user MIMO)は、MIMOがさらに進化した次世代の無線通信方法の事を指します。
これまでのMIMO(SU-MIMO : single-user MIMO)では1つのWi-Fiへ複数端末を接続した際、並列したデータ通信(一対一通信)しかできませんでしたが、MU-MIMOはこの欠点を改善し、複数の端末に同時通信ができるとされています。無線LAN規格では、2013年に策定されたIEEE802.11acから取り入れられています。
その他、MU-MIMOへの進化として従来はストリーム数(アンテナの数)が4×4までだったのに対しMU-MIMOは8×8、最大通信速度(理論値)はIEEE802.11nでは600Mbpsだったのに対し、IEEE802.11acでは6900Mbps(6.9Gbps)などが挙げられます。
Massive MIMO(マッシブマイモ)は5Gの要素技術で、MIMOがさらに進化したもの。
ちなみにMassiveは「大規模な」を意味します。
高度なビームフォーミングや空間多重などの技が用いられており、MU-MIMOでの8本だったアンテナの本数が最大128本に増量しています。
このおかげでさらなる高速で大容量の通信が複数機器で同時にできることになりました。
5Gを実現するためにはいくつか段階を経ているということなのです。
ここで前回の5Gの基本の「き」でもあったように5Gは繁華街やイベント会場など人が密集する場所でも安定した通信ができ、機器の同時接続数が4Gの10倍を実現しています。
(4G:10万デバイス / 1㎢ ⇒ 5G:100万デバイス / 1㎢)
また、自動車の自動運転技術も5Gにより進歩するとされています。
世の中のIoT化によりスマートファクトリーが進み製造業にもDXが進んでいます。
東洋電装では実際に昨年度、DXファクトリーをオープンいたしました。
オーダーメイド品であるため1つ1つ手作業で製作している制御盤の制作作業のDX化を目指し、マスカスタマイゼーションを実現させるための新工場となっています。
最後に今回のおさらいです。
これからは製造DXにも欠かせなくなるであろう5G。
「こんなことできないのかな…?」とお悩みの場合はTDXと一緒に考えていきましょう(^^)/
※ 機器も5Gに対応させる必要があるので注意。
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