前回のXRに続き5Gを含めた技術の発達の普及を背景に、リアルとは違うネット上の「もう一つの世界」メタバースが最近注目されています!
なぜメタバースが注目されているのか?
メタバースとは何なのか?
前回のXRとの違いについてとってもわかりやすくご紹介していきます。
メタバース(Metaverse)とは、仮想空間やそのサービスのことで、「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語です。
簡潔にいうと「仮想空間」。インターネット上に構築された三次元の世界で、私たちはアバターを介しメタバース上で活動することが出来ます。
元々、「仮想空間」「バーチャル空間」「サイバースペース」「電脳空間」など日本でも複数の名称がありましたが、ここ数年で「メタバース」と総称されるようになりました。
「メタバース」という言葉は、SF作家のニール・スティーヴンスンの小説『スノウ・クラッシュ(1992年)』に登場する架空の仮想空間サービスの名称として初めて登場し、現代ではテクノロジーの進化によってさまざまな仮想空間サービスが出現、それらの総称として「メタバース」が使われるようになりました。
メタバースは以前から映画やテレビ・アニメで登場しています。
など
見聞きした作品を通じて疑似的に皆さんも既に「メタバース」に触れていたのでは?
XRとは、前回のコラムで触れたとおり、「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」などの先端技術の総称です。
一方、メタバースは仮想空間上で提供されるサービスのことで、XRは現実に存在しないものを知覚するための技術のことを指し、VR(仮想現実)とはメタバース内で身体を動かせるという面で最も相性がいいとも言われています。
実は現在メタバースの定義として様々なものが提案されているものの、統一した解釈はありません。
メタバース解説書『メタバース進化論』(技術評論社、2022)では、
の七要件を満たしたオンラインの仮想空間と定義されています。
1970年代後半 | 複数人数が同じ世界でプレイできる概念が登場。 |
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1990年代 | MMORPGのアバター(自分の分身のキャラクター)が活動し、他ユーザーと交流できるシステムが登場。 「ウルティマオンライン(1997年)」ネットワークRPGの始祖の一つが商業的にも成功。 |
2006年頃 | 「Second Life(2003年)」のブームが起こり、メタバースが注目された。 当時はMMORPGから派生したサービスとして認識されていた。 |
2010年代 | 「ファイナルファンタジーXIV(2013年)」など仮想空間を使ったオンラインゲームが台頭。 コロナ禍でブームとなった「あつまれ どうぶつの森」も子どもから大人まで楽しめる広義でのメタバースとなっている。 「フォートナイト」はオンラインコンサートが開催されるなどゲーム以外の楽しみ方をするユーザー数も増加。 |
2021年10月、Facebookが今後の成長が見込まれるメタバースの開発を事業の核に据えメタ・プラットフォームズへ社名変更したことをきっかけに他企業もメタバース事業へ参入が加速しました。
これにより近年メタバースが急速に普及してきているという背景があります。
また、コロナ禍によりオンラインコミュニケーションの拡大が加速し感染対策でオンラインコミュニケーションへの抵抗感はなくなり、より臨場感を求めるニーズがメタバースに期待を寄せています。
合わせて VR機器の出荷台数は2019年の4863万台から2020年には6200万台以上と増加傾向にあり、関連技術の実用化NFTや仮想通貨などの技術の実用化が、メタバース普及の後押しをしました。
新型コロナウイルスの流行によりテレワークが推奨されて以降、メタバースはゲームだけではなく、バーチャルオフィスやオンライン展示会などビジネスシーンにも活用される場面が増えています。
VRゲームやメタバース内でのイベントを体験することで没入感が得られ、同様に展示会やライブなどのイベント,オンライン会議,メタバースでのショッピングなど、インターネットさえ繋がれば国内外問わずどこにいてもアバターを通じて世界中の人とコミュニケーションが取れるというメリットがあります。
いい事ばかりのメタバースの印象ですが、無料で参加できるメタバースも増え、子どもでも気軽にメタバース内で生活できる環境となり現実世界でのコミュニケーションが希薄になるというゲーム依存症の深刻化が起こっています。
メタバースはまだ発展途上で今後さらに新しい技術やサービスが出てくる分野です。
「もう一つの世界」と称されるほど今までとは違った世界が広がるのは間違いありません。
メリット、デメリットをきちんと把握しつつ上手く付き合うことが大切ですね!
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